頭痛は、世界中で痛みの疾患の中で一般的なものです。私も片頭痛があり、軽い頭痛がちょくちょくあります。
頭痛は大きく2つに分けられます。
・一次性頭痛(他の病気によらないもの:片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛など)
・二次性頭痛(他の病気によるもの:髄膜炎、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍などによる頭痛)
二次性頭痛
・私たちは、頭痛を訴える患者さんを診たら、まず二次性頭痛を除外します。二次性頭痛は頭痛全体の1-2割と少ないですが、その原因に重篤な疾患が含まれていることがあるからです。以下に、二次性頭痛であった場合に注意を要する症状を示します。
注意すべき症状
1. 突然発症する強い頭痛(何分何秒に発症したかがわかるような)
2. ものの見え方がおかしい、突然の筋力低下、からだがふらつく・まっすぐ歩けない、言葉がうまく出ない・呂律が回らない、けいれん・眠気や錯乱などの意識レベルの変化を伴う
3. 発熱とともに項部硬直(あごを胸に付けようとすると痛みが生じ、ときにあごを胸につけられない)がある
4. 今まで経験したことがない頭痛
5. いつもと様子の異なる頭痛
6. 頻度と程度が増していく頭痛
7. 50歳を過ぎて初めて発症した頭痛
8. 癌や免疫を低下させる病気のある患者さんの頭痛
9.外傷後の頭痛
10. 鎮痛薬(痛み止め)を過度に使用したり、新規で使用したりした後に悪化した頭痛
注意すべき症状がある場合は早めに病院を受診してください。特に上記1、2の症状がある時は脳卒中の可能性があるため緊急です。
二次性頭痛の診断に頭の画像検査(CT、MRI)などが必要なことがあるため、総合病院や脳神経外科・神経内内科を受診することをおすすめします。判断に迷う場合は、まずご相談ください。
一次性頭痛
・日本の主な一次性頭痛の有病率は、緊張型頭痛 22.3%、片頭痛 8.4%、群発頭痛 0.8%です。小中学生における片頭痛の有病率は3-5%です。
・一次性頭痛は、命の危険性はないものの、慢性的で、繰り返すために、生活に支障がでることがあります。一次性頭痛の中でも片頭痛の治療はガイドラインなどである程度確立され、選択肢が広がっています。治療の目標は、頭痛の程度や頻度を改善し、日常生活に支障がないようにすることです。
お困りの際は気軽にご相談ください。
次回は一次性頭痛の一つである片頭痛の予防・治療についてお話ししたいと思います。