鼻汁、鼻づまり、くしゃみといった鼻症状は、鼻炎、副鼻腔炎によるものです。
鼻汁とは?
鼻の中(鼻腔)の粘膜からは常に少しずつ粘液(ネバネバした液)がでるなどして潤っており、鼻から吸い込む吸気を加湿したり、入り込もうとした異物をとらえて喉の奥に送りこんで痰として排出したり、という働きをしています。
粘膜にウィルスや花粉などの異物がくっつくと、それを排出しようとして粘液が多量に分泌され、鼻から出てくることがあります。これが鼻汁です。鼻汁は異物から体を守ってくれる防御反応です。
鼻炎
鼻の中を鼻腔といいますが、鼻腔の粘膜が炎症を起こして鼻汁が増えます。また粘膜が腫れることで鼻の通りがわるくなります。
鼻汁が始まって1か月未満の場合は、ほとんどがウィルス感染による炎症(風邪)です。風邪では、喉の痛み、咳も同時に認めることが多いです。しかし、鼻症状だけで1か月以上続く、ある季節だけや、寝室にいるときだけ鼻汁がでるという場合は、花粉やダニに対するアレルギーによる鼻炎(アレルギー性鼻炎)のこともあります。
副鼻腔炎
鼻腔の周りには、副鼻腔とよばれる大小の空洞があり(以下「図」の白くぬけた空洞)、鼻腔と細い交通路でつながっています。副鼻腔炎はウィルス感染などで副鼻腔の粘膜が炎症を起こした状態です。炎症が長引くと、粘膜が脹れて鼻腔との交通路がふさがり、副鼻腔からの分泌物や異物を排出できなくなって溜まるため、炎症が治りにくくなります。
鼻汁、鼻づまりに加え、後鼻漏(鼻汁が喉に垂れる)、咳、眉間や頬の重い感じや痛み、頭痛、歯の痛みなどが現れることがあります。
ほとんどがウィルス性ですが、経過中に細菌性に移行することがあります。

経過
ほとんどがウィルス性のため7~10日ほどで自然によくなります。
10日以上改善しない、症状が強いという時は、受診も考えてください。
治療・セルフケア
薬剤
鼻汁や鼻閉は体の防御反応なので、ある程度は許容したいと思います。しかし、症状が強い時は、症状を抑える薬を服用することもできます。
⚪︎鼻炎
抗ヒスタミン薬:鼻汁を抑える効果があることがあります。副反応として眠気などがあるため、特にお年を召した方は気をつけてください。
⚪︎副鼻腔炎
・去痰薬:痰の粘りをとり排出させることで副鼻腔内の粘膜の状態を改善します。
・点鼻薬(ステロイド点鼻薬や血管収縮薬):炎症やアレルギー反応を抑えたり、粘膜のむくみをとったりします。
・全身の状態や鼻汁の性状などを診察し、適切な漢方薬を用いることもあります。
・副鼻腔炎は細菌性であっても、ほとんどの場合は抗生剤は必要ないといわれています。
副鼻腔炎に限らず、解剖学的に体の表面に近い細菌感染では抗生剤なしでも自然に治ることが多いという原則があります。
・重症の場合や外科的処置が必要なことがあるため、専門医に紹介します。
セルフケア
・副鼻腔炎の治療は、副鼻腔からの排液を改善し、感染を抑えることを主軸とします。蒸気を吸入したり、湿らせた熱いタオルを炎症のある副鼻腔の上にあてたり、熱い飲みものを飲んだりすることで、粘膜の腫れが緩和され分泌物の排出が促されることがあります。
・鼻をこまめにかんで、鼻汁を排出してください。片方ずつ、やさしくかんでください。
乳幼児は、鼻汁が多くて眠れない、ミルクが飲めないという場合は、適度に鼻汁を吸引してもいいと思います。
・鼻汁、鼻づまりに対して、小鼻の脇にある迎香(げいこう)というツボを刺激することは効果的です(上記「図」の赤丸)。小鼻のすぐ脇の少しくぼんだところを、人差し指で中心に向けて押します。お灸をしてもいいです。
・ユーカリの精油には、1,8-シネオールという成分が含まれ、去痰効果があります。鼻づまりの時は、芳香浴をしたり、精油をティッシュに数滴垂らして鼻から吸うのもいいといわれています。
お困りの時は、気軽にご相談ください。
アレルギー性鼻炎については、また別の記事に書きます。