最近、高岡でRSウィルス感染症の子どもが増えていると聞きました。
RSウィルス感染症は例年秋~冬に流行しましたが、COVID-19出現以降、感染症は従来と異なる時期にも出るようになりました。インフルエンザも夏に流行したりと。
病態
RSウィルスはかぜ(咽頭炎、鼻炎、副鼻腔炎と気管支炎)の原因となるウィルスの一種ですが、下気道である気管支、細気管支、肺に炎症を起こし、時に重症化することがあります。
気管支上皮細胞がウィルスにより壊され、炎症により粘膜がむくんだり、粘液の分泌が増えたりします。その結果、気管支、細気管支の中に壊された細胞や粘液がたまり、換気が不良となります。気管支が細い新生児、乳幼児の方は、気管支が詰まって呼吸困難になりやすいのです。
RSウィルスほとんどの子どもが2歳までにかかり、2歳以上では重症化することはあまりありません。
症状・経過
・一般的なかぜと同じような発熱、鼻水、咳という症状で、数日~1週間ほどで自然によくなることが多いです。
・生後6か月未満の乳幼児、お年寄り、心臓や肺に持病がある方は、細気管支炎、肺炎を起こすことがあります。もし、そのために呼吸困難や飲水ができずに脱水になった時は、入院を要することもあります。
診断
鼻粘膜を綿棒でこすり検体を採取して行う迅速検査がありますが、保険適応は1歳未満の子どもだけです。1歳未満でも検査が必要かどうかは、流行状況や症状で判断します。
治療・セルフケア
・RSウィルスに対する特効薬はなく、基本的には自然に治っていきます。
・気管支炎、細気管支炎のため喘鳴(ヒューヒュー、ゼイゼイ)がある時は、病院で気管支の炎症を抑える吸入を行うことがあります。
・鼻水が多いときは、鼻水の吸引をすると、咳や喘鳴が軽快することがあります。
・水分は、少しずつ頻回に飲ませましょう。
・室内は乾燥しないように、濡れタオルをつるしたりして加湿してください。
こんな時は早めに病院へ
・呼吸が苦しそう(ヒューヒュー、ゼイゼイ、呼吸回数が早いなど)、顔色が悪い。
・ミルクや水分をあまり飲まなくなった。
RSウィルスを予防するために
感染経路は飛沫、接触感染であり、COVID-19やインフルエンザと同じです。
・病気のときは家でやすんでください。
・咳やくしゃみは、手ではなくティッシュやシャツの袖で覆ってください。
・石鹸と水で頻繁に手を洗いましょう。
・洗っていない手で顔(目や鼻)を触らないでください。
・重症化しやすい子どもには、予防するための注射(シナジス®)があります。
初回投与時点(接種日の時点)で下記の基準を満たしていれば1シーズンの接種を保険適応で行います。
①早産児
・在胎期間28 週以下(28週6日まで)で出生してた方で接種開始日時点で12か月齢以下(13カ月齢未満)
・在胎期間29 週~35 週(35週6日まで)で出生した方で接種開始日時点で6か月齢以下(7カ月齢未満)
②血行動態に異常のある先天性心疾患があり接種開始日時点で24か月齢以下の児
③免疫不全があり接種開始日時点で24か月齢以下の児
④ダウン症候群があり接種開始日時点で24か月齢以下の児
⑤肺低形成があり接種開始日時点で24か月齢以下の児
⑥気道狭窄があり接種開始日時点で24か月齢以下の児
⑦先天性食道閉鎖があり接種開始日時点で24か月齢以下の児
⑧先天代謝異常症があり接種開始日時点で24か月齢以下の児
⑨神経筋疾患があり接種開始日時点で24か月齢以下の児
ワクチン
・本邦においても、RSウィルス感染の重症化を防ぐワクチン(アレックスビー筋注用®)が、60歳以上の成人を対象として2023年9月に承認されました。当院でも接種できますので、ご希望のある方はご相談ください。
登園の基準について
・熱や咳、ゼイゼイとした息などの症状が治まり、元気に食事をとれていれば、登園できます。
・発病から3~4日目が症状のピーク、1週間程度で軽快することが多いので、幼稚園・保育園は1週間程度お休みするのがよいかと思います。
・また、登園するようになっても引き続き手洗いなどの予防を行うように心がけてください。
