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インフルエンザについて 流行る前に確認を

現時点(9月末)、日本ではインフルエンザの流行はまだみられません。しかし、日本と季節が逆の南半球では今年の冬(日本の夏)にインフルエンザAが流行し、日本の冬にもインフルエンザが増えると予測されています。日本では例年11月下旬~3月にインフルエンザの始まりと流行がみられます。少し早いですが、インフルエンザについて書きたいと思います。

インフルエンザとは?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染に起こる病気で風邪の一種です。発熱、頭痛、咽頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れるのが特徴です。まれに肺炎、脳炎、肝炎などの合併症を併発することがあります。

感染経路は?

咳やくしゃみの際に口から発生する小さな水滴(飛沫)による飛沫感染が主です。時に接触感染(手に付いたウイルスが鼻などの粘膜に触れることで感染)することもあります。

インフルエンザを発症したら?

基本的には風邪と同じように、自身の免疫がウイルスを退治して自然治癒します。抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザなど)は症状の持続時間を短縮する効果(解熱が約1日早まる)は期待できますが、入院したり肺炎になったりするリスクを減らすことはできず、合併症リスクのないひとには必ずしも必要ではありません。ただし、合併症リスクの高い方は、抗インフルエンザ薬の使用が推奨されています。

合併症リスクが高いのは?

・65歳以上の成人
・基礎疾患を有する方
 慢性肺疾患(ぜん息を含む)、心臓(高血圧を除く)、腎臓、肝臓、血液、神経疾患、糖尿病を有する小児、成人
・免疫制御状態にある方
 免疫防制薬投与中、癌の治療中の方など
・介護老人保健施設もしくは長期療養施設に入所している方
・著明な肥満(BMI>40の成人)
・妊婦
・0~5歳の小児

 インフルエンザ脳症は1歳をピークとして6歳未満に多く、発症率は小児10万人あたり数人と少ないですが、死亡率は30%で後遺症を残すこともあります。本邦では年間100-300人の小児が発症しているといわれます。

・アスピリンやサリチル酸を含む薬を服用しており、インフルエンザ罹患後にライ症候群を発症するリスクのある小児および青年(生後6ヶ月から18歳まで)

次の記事では、予防やワクチンについてお話しします。

たわわに実った栗!