緊張型頭痛は、一次性頭痛の中で最も頻度の多く、日本における有病率は約 20%といわれています。
緊張型頭痛は次のような特徴をもっています。
・両側性
・性状は圧迫感またはギューッと締め付ける感じ(拍動=ズキズキ・ドクドクではない)
・強さは軽度~中程度(とても強い痛みではない)
・歩行、階段の昇り降りなど動くことで悪化しない
・吐き気・嘔吐を伴わない
・数十分~数日間持続する
緊張型頭痛の原因はいまだ不明ですが、緊張型頭痛のあるひとは頭、首、肩にかけての筋肉の圧痛の頻度が高く、それらの筋肉に緊張が誘因となっている可能性も考えられています。
緊張型頭痛の治療には、 薬による治療と薬以外による治療・予防があり、後者も大切です。
薬による治療は、痛いときに鎮痛薬(カロナール、バファリン、ポンタール、ロキソニン、ブルフェン、ナイキサンなど)を内服することです。
しかし、 鎮痛薬の飲みすぎによる頭痛 (薬物乱用頭痛)をきたすことがあるので注意が必要です。鎮痛薬を週 3-4 日飲むことは薬物乱用頭痛のリスクといわれています。鎮痛薬の内服が頻回に必要な方には、 後にお話しするお薬以外の治療を行ったり、予防の薬を飲んで予防したりする方法があります。ご相談ください。
お薬以外の治療 ・予防をお示しします。 これは緊張型頭痛だけでなく片頭痛にも有効です。
特に子どもにとっては大切です。
・生活習慣の見直し・改善(早寝、早起き、朝ごはん、姿勢に注意) 、ブルーライド制限(スマホ、ゲーム、パソコン、テレビ)、ストレスを減らす
・理学療法:頭痛体操、マッサージ、ストレッチ、適度な運動、ウォーキングなど
・鍼灸
・頭痛ダイアリーをつける
・枕の高さを調整する(タオルを 1 枚ずつ重ねるなどして)


ツボの刺激(指圧)
風池(ふうち)、肩井(けんい)、合谷(ごうこく)というツボを刺激します。自分で行いますが、子どもには家族がしてあげるのもよいと思います。息を吐きながらツボを指で押すのがいいと思います。例えば息を吐きながら 5 秒間ツボを押すことを数回繰り返します。セルフ灸を用いてお灸をするのもよいです。


頭痛ダイアリー
自分で頭痛の性状、痛みの強さ、持続時間、随伴症状、誘因、お薬の使用などをメモすることで、自分の頭痛について把握して、対応ができるようになります。また、医師もダイアリーを見ることで頭痛の経過や治療効果を確認して適切な医療を行うことができます。
我慢せずお気軽にご相談ください。
