お知らせ 感染症科

当院における感染対策について

世界で新型コロナウィルス(COVID-19)が報道されたのは2019年末年で、それからすでに約4年半が経過しました。
富山県では、先々週(4/15-21)の1定点あたりの報告数は3.85人であり、今年1月の16.71人から低下し高い値ではありませんが、感染者は発生しています。

COVID-19が見付かった当初は、人類が初めて出会うウィルスであったため、ウィルスの病原性、経過、感染経路がわからず、感染対策(予防)は過度になりました。宇宙服のような防護服を来て、街中に消毒液を撒いていた映像を覚えておられると思います。しかし、経験や研究が蓄積されることで、感染経路と、どのような感染対策をすれば予防できるかが明らかになってきました。
感染対策は、ある側面では私たちの行動を制限するため、医学的な根拠に基づいた対策を必要最小限で行うことが大切だと考えます。当院では、感染症専門医として根拠に基づいた感染対策を行います。

現在、COVID-19の主な感染経路は、感染者がウィルスを含む飛沫や非常に小さな粒子を吐き出し、これらの飛沫や粒子を他の人が吸い込んだり、目、鼻、口に付着したりすることだとされています。
飛沫は重さのため吐き出されてから2m以内で落下するので2m以上離れていれば感染しません。飛沫より小さな粒子は軽いため2mを超えて広がることがありますが、密集を避け換気をすることで防ぐことができます。

COVID-19は、テーブル表⾯やドアノブ、⼿すりなど環境表⾯で⼀定期間⽣存することが知られています 。しかし、実際にこれら環境表⾯を介して感染する頻度は低いということが明らかになっています。

以上より、COVID-19の感染を防ぐために行う対策は、次のようになります。この対策はインフルエンザや一般的な風邪とも共通します。
・ほかの人と自分の距離を保つ(ソーシャル・ディスタンス)
・空間の換気を行う
・咳エチケットとマスクの着用
・手指衛生

当院の対策は、
・椅子は一人用であったり、長椅子であったりして、他の患者さんとの距離を保つことができます。
・待合室、診察室は、常時換気をしています。
・ドアノブ、手すりなど高頻度に触れる部位を毎日+必要時に拭き取り清掃します。
・職員は、標準予防策(感染の有無に関わらず全ての患者さんのケアに際して普遍的に適用する予防策)を行います。

患者さんには、以下のことをご協力いただきたいと思います。
・咳エチケットと、風邪症状がある時は、可能な範囲でマスクを着用してください。
・クリニックに来られたら、手指衛生(洗面所での手洗い、またはアルコール擦式消毒剤)をしてください。

このように、感染対策を行っているため、風邪症状のある患者さんも待合室でお待ちいただきますが、具合の悪い方や、小さなお子様は、車内や個室でお待ちいただくこともできますので、ご希望をお伝えください。具合の悪い時は、できるだけらくに過ごしていただければと思っています。

今後も、COVID-19がまた変異したり、新たなウイルスが出現したりする可能性もあります。流行状況も鑑みて、つど判断し、根拠に基づいた感染対策を更新していきます。

よろしくお願いいたします。

参考文献)
・医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第5版),日本環境感染学会
・Centers for Disease Control and Infection (CDC) COVID-19.
https://www.cdc.gov/infectioncontrol/

子どもがおもちみたいと言った白い小さな花。