沖縄の離島診療所から

渡嘉敷便り18 最後

渡嘉敷診療所での二年間の勤務を終えました。
島で一人の医者として、地域の医者として、多くの多様な患者さんを診させていただきました。

怪我や緊急性のある疾患の患者さんは、適切にトリアージして、必要であれば専門の病院へご紹介するという役割を意識しました。

高血圧、高脂血症、糖尿病など生活習慣病の患者さんは、お話しするなかで、食事、運動、睡眠、働き方、ストレスなど振り返って、患者さん自身が意識して改善できるように支援させていただきました。お薬の助けが必要な状況を見極めてご提案することも大切です。

お年寄りの患者さんには、島でできるだけ長く暮らせるように健康を保つ支援をおこない、もし島では対応できない健康状態になったときは、どうするかをご本人とご家族も交えて一緒に考えました。
島の元気なおじぃおばぁには、私が健康の秘訣を教えていただくこともよくありました。畑をする、体を動かす、楽しみを持つ、気持ちを前向きに、はポイントかなぁと思いました。

子どもたちは、たまに少し調子を崩しても、むくむく回復しました。親御さんの子どもを心配する気持ちに寄り添えるように努めました。

渡嘉敷島をたつ船を、島の方々が見送ってくださいました。
優しく穏やかで、たくましい人々でした。

三味線の歌詞に、"渡嘉敷よいとこ 一度はめんそーれ(おいでなさい)、花と鯨と情けの島よ"というフレーズがあります。

渡嘉敷島のみなさま、どうもありがとうございました。

みなさま、お元気で。