朝寝起きに伸びをしたら、ピキーン!あ、足がつった・・・(泣)、ということありませんか。
病態
こむら返りは、筋肉が突然に痙攣を起こした状態で、主にふくらはぎの筋肉ですが、ふとももや足の場合もあります。通常は数秒から数分でおさまります。発生率は年齢とともに増加します。
原因
こむら返りの原因はわからないことがほとんどです(特発性)。
二次性の(原因があるもの)こむら返りの原因として以下のようなものが考えられています。
・扁平足(へんぺいそく)、長時間の座位、不適切な足の位置・体勢
・パーキンソン病、神経根症などの神経障害
・脱水
・妊娠中のマグネシウム不足
・糖尿病、アルコール性依存症、甲状腺機能低下症
・特定の薬剤の使用
・運動後
対処法(起きた時)
ふくらはぎのストレッチ
一般的にいわれている対処法ですが、効果的です。こむら返りが起きた足の膝を伸ばして座り、片手で足のつま先をつかんでゆっくりと手前へひっぱり、ふくらはぎを伸ばします。はじめは軽くさすり、それからゆっくりと息を吐きながら伸ばしていきます。その後ゆっくり緩めます。良くなるまで繰り返してください。
寝床から起きて足裏を床に平らにつけて立ち、足裏で床を押すだけでもストレッチになります。歩いたり、温かいシャワーを5分ほどかけたり、湯船につかるのもよいです。
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という漢方薬の頓服
この漢方薬は筋肉をやわらげて痙攣を抑える作用があります。即効性があるため、こむら返りがおきた時に頓服で服用すると、速やかに改善することがあります。夜間のこむら返りに備えて、枕元に芍薬甘草湯を置いている患者さんもおられます。
予防
毎日のストレッチ体操(図1)
両手で壁につけ、片足は前に出し、片足は膝を伸ばして足裏を床に平らにつけて、前傾すします。こうすることで、ふくらはぎなど足の後ろの筋肉が伸ばされます。この姿勢を10~20秒間保持します。これを連続して3~5回行います。最初の週は1日4回、2週目は1日2回(朝夕)、3週目は寝る前にだけ行います。
・脱水を避けるために、暑い日や運動時はこまめに水分をとってください。
・アルコールは控えてください。
・ミネラルやビタミンを多く含む、野菜、海藻類、大豆製品、魚介類なども取り入れたバランスの良い食事をしてください。
・体を冷やさないようにしてください。靴下、ひざ掛け、湯船につかるなど。
・普段から歩くなどの運動をしてください。
こむら返りがよく起きるという方はご相談ください。