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感染症の考え方 ~原因となる微生物、抗菌薬について~

感染症の原因となる微生物ですが、大きさや構造によって、細菌、ウィルス、真菌、寄生虫などに分類されます。

ウィルスによる感染症の代表は風邪(かぜ)です。
風邪はウィルスによる上気道感染症で、急性に咳、鼻汁、咽頭痛の3つの症状がでることが特徴です。
ウィルスによる感染症のほとんどは自然に治っていきます。抗菌薬(抗生剤、抗生物質)はウィルスには効かないので処方しません。

細菌による感染症は、例えば肺炎、膀胱炎、蜂窩織炎などです。
細菌感染は原則として抗菌薬による治療を必要とします。抗菌薬は細菌を壊したり、増えるのを抑制する薬です。

細菌には良い働きをするものもいると聞くけど、抗菌薬で細菌を壊して大丈夫?と思われる方もおられると思います。
まず、私は感染が細菌によるものかウィルスによるものかの見極めに力を注いでいます。細菌感染と判断した場合のみ抗菌薬を処方します。
また、私たち感染症科専門医は、細菌感染と考えた場合に、感染症を起こしている細菌を想定・特定して、その細菌をターゲットとして、できるだけその他の細菌には効かない種類の抗菌薬を選びます。そして、治療に適切な抗菌薬の投与期間を見定めて、必要最小限で使います。

このような感染症診療の理論で診療しておりますので、どうか安心して治療を受けてください。


次回、感染症の考え方 ~薬剤耐性菌~ につづきます。

体内のバランス、体と自然のバランスを大切にして診療したいなと思います。健やかでありますよう。