感染症を診断・治療する方法をお伝えしたいと思います。
とてもシンプルで簡単ですが、これが原則です。
これがわかると、自分で自身や家族の症状をどう解釈してどうしたらいいかをおおまかに考えられるようになりますし、当院の診療も納得して受けていただけると思います。
① 最初に考えるのは、体のどの解剖/臓器に感染症があるか?
② 次に、感染症を起こしている原因微生物は何か?(この時、感染症か非感染症かも考えます)
③ ①、②がわかると治療方針・治療薬が決まります。
④ 感染症の経過(良くなっているか悪くなっているか)の観察、効果判定をします。
例えば…
5歳男児、昨晩から38度台の発熱。昨日朝から喉の痛みがある。
① どの解剖/臓器に感染症があるでしょうか?
喉の痛み …喉かな?
口を開けてもらって観察すると、のど(咽頭)全体が赤くなっています。
扁桃腺は腫れていません。
② 感染症を起こしている原因微生物は?
喉の感染症(咽頭炎)を起こす微生物は、ほぼウィルスです。
③ 治療方針は?
ウィルスに抗菌薬は全く効かないため、抗菌薬は不要です。
ウィルス性の咽頭炎は自然に良くなっていきます。
④ 感染症の経過(良くなっているか悪くなっているか)を観察する。
感染症はのど(咽頭)にあるので、喉の痛みが指標の一つとなります。
感染症が良くなれば喉の痛みは軽快し、悪くなれば悪化しますよね。
熱が下がらなくても痛みが良くなってくればいい方向に向かっていると考え、数日様子をみることができます。
症状が横ばいの場合は、たいてい感染症は良くなる途中です。
(感染症診療の原則を教えてくださった青木眞先生に感謝いたします。)
