沖縄の離島診療所から

渡嘉敷便り9 離島医療、緊急時の対応 

先週は救急患者さんが多い週でした。
バイクの転落事故、夕方から発熱と呼吸困難が出現した子供など。

渡嘉敷島と沖縄本島の交通手段は船です。フェリーは片道70分で一日一往復、高速船は40分で一日二往復です。高速船は今月からドックに入っているため約1か月間は運休です。
海がしけると船が出ないことがたびたびあります。

このような島で救急患者が発生したらどうするのか。

緊急性がある場合は、日中であればドクターヘリを要請することができます。ドクターヘリには救急の医師が添乗し、要請してから約15分で飛んできてくれます。日没後や悪天候時は自衛隊ヘリを要請することができます。
ドクターヘリ、自衛隊ヘリの運行には多くの人々の労力がかかるため、要請させてもらうのは、どうしても本島の病院に船で行くのは困難(時間的な緊急性や移動などの点から)と判断したときに限ります。

また、島内には消防士、救命救急士はいません。事故や救急患者が発生した時に、最初に消防車や救急車で駆けつけて対応するのは、普段は他の仕事をしている消防団の人々です。

ある意味で厳しい離島の医療は、このような人々の協力と連携で成り立っています。

玄関にたたずむシーサー。家を守ってくれています。