内科 中医学概論 漢方薬 足腰・肩の痛み

中医学について② 弁証論治(べんしょうろんち)

中医学について①」からのつづき

中医学の三本柱は、「整体観」、「弁証論治」、「未病先防」です。
弁証論治は中医学における診断治療方法で、中医学の核となります。

ある病気が進行する過程において、ある段階での病理を総称したものを「証(しょう)」とよびます。病気の経過の断面図のようなものです。

弁証とは、四診(ししん)という診察によって「病気の原因・経過・予後」を判断し、「患者の状態、病気の性質と部位、正気と病邪の力関係」分析し、証を見立てます。

論治とは、弁証の結果に基づいて適切な治療を施すことです。

四診とは、

望診(ぼうしん): 目で診る。姿勢、色艶など。
聞診(ぶんしん) :耳と鼻を使って、音を聞いたり匂いをかいだりする。声、咳、呼吸など。
問診(もんしん) :症状を聞きとる。病歴、飲食、睡眠など。
切診(せっしん) :体の一部を触診する。脈やお腹など。

弁証論治では、同じような症状であっても証が違えば、治療方法が違ってきます。例えば、同じ下痢という症状であっても、個々の弁証の結果により、処方する漢方薬の種類が異なります。逆に、異なる症状であっても証が同じならば同じ治療になります。

問診では病歴のほかにも、飲食、睡眠、生活などについて詳しくお話を伺うため、少しお時間をいただきます。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

中医学について③」につづく

黄色いブルメリアと、ピンクのアサヒカズラ。