当院では、一般のお薬、漢方薬、ハーブそれぞれのいいところを取り入れて、お一人お一人に最適な治療ができればと思っています。
体の不調は、例えば痛い部位だけの問題ではなく、身体(からだ・こころ)全体のバランスの乱れが原因のことがあります。中医学(漢方薬)やハーブは、身体全体のバランスを整えて根本から改善します。
植物の薬効について
ハーブとは一般的に生活に役立つ香りのある植物をいい、ハーブに含まれている成分を健康のために使おうとする分野を「メディカルハーブ」と呼び、薬用植物そのものを示す場合もあります。ここではハーブはメディカルハーブを指します。
欧州では、紀元前400年頃に古代ギリシアの医師ヒポクラテスが「体液病理説」という考えかたのもとで、400種類にも及ぶハーブを処方していました。アジアでは、中国で古来から植物(ハーブ)や鉱物などの生薬(しょうやく)が治療に用いられ、漢の時代(紀元前200年~西暦200年)には「黄帝内経(こうていだいけい)」という壮大な医学書にまとめられています。
19世紀に入ると、ハーブに含まれている多様な成分の中から特定のものだけを抽出、単離することで医薬品(一般のお薬)が作られるようになりました。今ある医薬品の半分以上は、ハーブがもとになってつくられています。
医薬品は単一成分で構成されるためきれが良いですが、ハーブは多様な成分で構成され、成分が互いに相乗効果もたらし、体への刺激はマイルドです。
また、冷えや疲労感など不調があるけれども、血液や画像検査に異常はなく薬が必要ないというとき、漢方薬を用いて症状を改善できることがあります。
>中医学についての記事
メディカルハーブ
ドイツでは、風邪をひきそうなときはまずハーブティーを飲みます。保険が適応されており病院でもハーブティーが処方されます。ハーブティーにはからだを温めたり、リラックスさせたりする効果もあります。
体の不調があるときに、食事、生活、運動、気持ちのあり方などを見直すとともに、ハーブを取り入れることもできます。ハーブを取り入れることが食事、生活の変化に繋がることもあります。ハーブは、ティーのほかにも、アロマオイルの芳香浴、入浴剤、湿布などとして用います。
例えば、次のような場合は、症状が軽いときに応急的にハーブを使うことができます。
・かぜのひき始め
・気持ちが落ち着かない、眠りにくい
・急なお腹の不調、便秘
・手や肩のこり
また、次のような場合は日々の生活にハーブを取り入れていくのがよいと思います。
・月経に伴う症状や、更年期障害の予防や症状緩和
・慢性的なお腹の不調、便秘
・生活習慣病の予防
ご希望があれば、お一人お一人に合わせてご提案したいと思っています。
>メディカルハーブについての記事
漢方薬
漢方薬をご希望される方、または診察の結果漢方薬が適切と考えられる方には、漢方薬による治療をご提案させていただきます。
ほとんどが保険診療です。
通常の診察に加えて、日常生活の様子をさらに詳しくお伺いして、身体の状態を診させていただきます。それぞれの体質、身体のバランスの不均等に応じた漢方薬を処方します。
症状によっては、一般的な医薬品をおすすめしたり併用したりすることもあります。
また、食事や生活のアドバイスや、症状によっては自分で押したりお灸をしたりしてセルフケアできるツボをお伝えします。
>漢方薬についての記事